映画『jam』感想 その1(ネタバレ注意)
※ネタバレには配慮していますが、
未見の方はご注意ください。
キャッチコピーの「3つのストーリーが
絡み合う“因果応報”エンターティメント」
この言葉通り、一見関わりないような3つの物語が
徐々に近づいてきて
交わったところで一気にクライマックスに
駆け上がります。
三つというのは
・ドサ周りの演歌歌手ながら多くの女性客を
掴んでいる「ヒロシ」(=青柳翔)
・恋人が植物人間状態になっていて、一日に
いいことを三つしていけば彼女は目を覚ますと
信じて善行を続ける「タケル」(=町田啓太)
・ヤクザの仲間を庇ってただ一人刑に服したが
使い捨てられたことを知って復讐に燃えつつ
お祖母ちゃんの車イスを押す「テツオ」(=鈴木伸之)
の3人を中心にしたそれぞれ個別の物語です。
序盤はその3つが時系列関係なく、ショッキングな
シーンが次々に出てくるため、
「え?何がどうなってるの?」と思いながら
観ていると過去に戻り、だんだん繋がってきます。
そして因果応報の意味も分かります。
ヒロシは熱狂的ファンに一服盛られて監禁され
一晩中、演歌を作らされるシーンが
あるのですが
ナイフを突きつけられながら演歌的な単語を
必死に並べるという、ホラーじみていながら
滑稽なやり取りが面白い。
この和製ミザリーことマサコさん、
頭のおかしい人とはいえ
「“ダンチョネ”だけ真似ても矢代亜紀は越えられない!」
そのセリフにだけは完全に同意します。
演じた筒井真理子さんも素晴らしい!!
※ダンチョネが気になってググったけど、
意味も由来も諸説あるんですね……。
そして大正時代からある言葉らしい。
ヒロシは作中で何曲か歌ってるんですが
監禁時の部屋のポスターに「宝船」と書かれた一枚があり、
その後のコンサートで(あ、あのポスターの曲か)
と分かる凝った作りになっています。
『雨の馬喰横山』ってタイトルがなんか
じわじわくる……。
長くなったので続きはまた明日。