図書館で会った珍妙な人々 その1

ある日、図書館で本を読んでいた時のことです。

「かちゅ」「きゅっ」という感じの奇妙な音が
断続的に聞こえてきました。

(何の音……?)

最初は貧乏ゆすりOR足をぶらぶらさせてる人の
靴かカバンの金具が、椅子の金属部分に軽く
当たってるのかな、と思いました。

気になって音のする方向をよく見ていると

40代くらいのスーツ姿の男性が無表情で

手首に近いところの手の甲をちゅば、ちゅばっと
素早く何度も吸い続けていました。

吸うっていうか皮膚を軽く唇で挟んで
音を出してるような。妙にリズミカルに。

(え……えええ……何やってんの……!?)

クセなんでしょうか、ノートパソコンの画面を見ながら
ひじをついて、ずっとちゅばちゅばやってる……。

いや、ホントなんですって!!!!

実際に見ないと、自分の手を吸ってる音には聞こえませんでした。

というかそんなの完全に想定外だよ!!

誰か今までおじさんに「そのクセやめたほうがいいよ」と
注意する人はいなかったのでしょうか。

むしろそっちが気になりました。

喫煙者なんだけど図書館で吸えないから口さみしいとか……?

事情を知ってる方、いませんか?

ちなみに二度ほど遭遇しています。