昭和の素敵な『昏さ』と『怖さ』

昨日も書きましたが、どうもデジタルだと
画面が明るすぎ&キレイすぎて
セットで撮影してる感がすごい。

個人的にはフィルムの少しくすんだ感じが好きです。

時代劇とかホラーとか何もかも「くっきりはっきり」
見せなくても……と思うんですよね。

昭和の『仮面ライダー』はまだヒーローものの
フォーマットが確立されてない時期は
ホラーっぽくしてあるそうで、

確かに再放送で観た初代やV3なんかは
かなりおどろおどろしい作風です。

私が子供の頃は『スーパー1』とか『ストロンガー』
でしたが、夕方になると暗がりから怪人が
現れそうで確かに怖かった……。

谷崎潤一郎が『陰翳礼讃』で、西洋化で辺りが
明るくなりすぎると書いたのは1933年
(昭和8年)

私が怪人を怖がってたのは昭和55年前後なので
だいぶ状況は違うはずですが、

それでもまだ昭和に『昏さ』は残っていました。

母方の祖父母の家はかなり古い家だったため、
縁の下を覗きこむと真っ暗で
何か怖いものが潜んでそうだったり。

コンビニなど24時間営業の店もなく
街灯があっても夜は暗く、怖いものでした。

今はどこも明るく、TVの「怖い話」の番組にも
クレームがつくようになりましたが

それでも『妖怪ウォッチ』や『鬼太郎』などの
「得体の知れない不気味なモノ」を描く作品は
作られ続けているわけで。

やはり『怖さ』も『昏さ』も人には
必要なものだと思うのです。

仮面ライダーアマゾンズ』の画面の昏さは
映画用のフィルムで撮影しているからだそうですが、

そういう工夫が他のドラマとかにもあっても
いいんじゃないかな……。