昭和の思い出20 子供の瞳が輝く時

私が高校生くらい?の頃、父と仲良しの近所のおじさんが
まだ小さい息子を連れてよく遊びに来ていました。

私は学校やら部活やらであまり顔を合わせる機会は
なく、だいたい妹が遊んであげてたようです。

(その間、おじさんは父と酒飲んでお喋りしてる)

ある日、私が部屋で下手クソな絵を描いてると、
その子(以下Yくん)が入ってきました。

「なにしてるのー?」

何を描いてたかは忘れましたが、だいたい星矢か
トルーパーかサイバーかダイ大、
さもなくば痛々しいオタク絵でしょう。

そんな絵を見られたくなかった私は、とっさに
赤と青の絵具をパレットに混ぜ、

「ほら見てごらん、色が変わるよー何色かなー?」
とYくんの注意をそらしました。

するとYくんの目がパァァァァ キラキラキラ……と
背景に効果音が書き足される勢いで輝きはじめました。

「なにそれ!?もっと!!」

適当にごまかすつもりが、大変なことに……。

スイッチが入った子供テンションに気おされながら、
私は赤と黄色、白と赤などいろんな絵具を混ぜて
見せました。

よほど気に入ったのか、我が家に来るたびにYくんは
私の部屋で「えのぐー」と言うようになりました。

これでYくんが美術の方面に目覚めたというのなら
ドラマティックですが、あいにくそんなことはなく。

しかし、あの瞳の輝きを見ていたら、
大変な仕事なのに教師や保育士など子供相手の
職業を目指す人の気持ちがわかった気がしたものです。


どうでもいいことですが、私が学生時代に
ネットとかpixivとかなくて良かったなって……。

どれほど黒歴史を垂れ流していたか
わかったもんじゃない。
くわばらくわばら(昭和的なオチ)